大川栄策 ヒット曲集2010

大川栄策 大川栄策 ヒット曲集2010歌詞
1.あの日の君を恋うる歌

作詞:水木れいじ
作曲:伊藤雪彦

あの日の君に 逢えるなら
いのちを惜しむ 俺じゃない
くちなし匂う 花影で
泣いて別れた 遠い町……
むすばれなかった 女(ひと)ゆえに
偲ぶ偲ばず 面影しぐれ

あなたは夢に 生きてねと
からめた指の かぼそさよ
やさしく抱いて やれもせず
旅にさすらい 春いくつ……
あてない噂に 今宵また
偲ぶ偲ばず 面影しぐれ

嘆くな泣くな 夜の雨
離れて燃える 恋もある
この世に薄い 縁でも
なんで切れよう 紅の糸……
倖せ祈れば ほろほろと
偲ぶ偲ばず 面影しぐれ


2.十六夜月

作詞:麻ことみ
作曲:四方章人

そっとうなじに 手をやれば
あなたの匂い こぼれます
優しく抱かれた あの夜は
二度とはかなわぬ 夢ですか
女につらい 夜が来て
窓に十六夜(いざよい) こぼれ月

ひとつため息 つくたびに
ガラスの窓が 震えます
恋しいあなたの 面影を
忘れるその日は ありますか
心変わりの その理由(わけ)を
せめておしえて 夜半の月

痩せた月さえ いつかまた
元の姿に 戻るのに
あなたの心が 返る日を
待つのは愚かな ことですか
眠れぬままに 夜が更けて
空に白々(しらじら) 名残り月


3.風港

作詞:松井由利夫
作曲:伊藤雪彦

とぎれとぎれに 汽笛が咽ぶ
夜風 潮風 別れ風
濃い目の化粧で 隠しても
潤んで見える おまえの睫毛
今夜ばかりは… 今夜ばかりは
酔うに酔えない わかれ酒

口に出したら 言葉にしたら
ほろり本音が こぼれそう
浮草 水藻の かくれ花
倖せなんて ぬくもりなんて
これでいいのさ… これでいいのさ
そっと吹き消す 夢灯り

港 路地裏 ここから先は
恋も涙も 行き止まり
冷たく背中を 向けたけど
背中で詫びて 心で泣いて
今度逢えたら… 今度逢えたら
ましな男で また逢おう


4.路傍の花

作詞:なかにし礼
作曲:猪俣公章

酒場ぐらしの 路傍の花に
幸せ運ぶ 季節はないの
あなたがくれた 婚約指輪
今じゃ光も 色あせたけど
何故かはずせぬ 薬指

つくり笑顔の 路傍の花が
売るのは嘘と 一夜の夢よ
真心だけは 売らぬつもりが
恋にすがって けずられちゃった
涙ひとつぶ カウンター

ほこりまみれの 路傍の花は
心のしみを 涙でおとす
今夜で一つ また年をとる
誰も祝って くれないけれど
やけに酔いたい 誕生日


5.駅

作詞:たかたかし
作曲:市川昭介

つれて行けない 別れのつらさ
駅灯(あかり)に背を向け ひとり泣く女
赤いコートに 降る雪の
雪の白さが目にしみる プラットホーム
汽車がくる
汽車がくる 雪国の駅

出来るものなら 切符を捨てて
この手で涙を 拭いてやりたいよ
君と一緒に いるだけで
おれは優しくなれたのに いつまた逢える
さよならの
さよならの 雪国の駅

伝えきれない 想いをのこし
汽笛がひと声 空に凍りつく
青いシグナル 舞う雪に
君の姿が消えてゆく 夜汽車の窓よ
遠くなる
遠くなる 雪国の駅


6.夢一天

作詞:松井由利夫
作曲:水森英夫

涙ひとつぶ ふところに
花を横目に 廻り道
義理もすたれた 人情も枯れた
春は盛りと 言うものを
今のご時世 寒すぎる

酒は一気に 干せるのに
恋の盃 なぜ干せぬ
意地は挺子でも 曲げない俺が
渡すつもりの ひと言を
抱いて思案の 戻り橋

時の流れに 棹させば
針のつぶてが はね返る
それが世間さ 世間の裏で
明日の灯りを この胸に
生きる男の 夢ひとつ


7.昭和浪漫~第二章~


8.浪花ことぶき

作詞:もず唱平
作曲:大谷明裕

所帯を持ったその年に
連れ合い亡くし 早や二(ふ)タ昔
明日娘が嫁ぎます
見せてあげたい 見せてあげたい
ねぇあなた
浪花ことぶき ひとりで祝う

河内の生まれ 新郎は
阿呆ほど純で 飾り気無しで
どこを押しても 二重丸
婿に逢ってよ 婿に逢ってよ
ねぇあなた
浪花ことぶき 涙で祝う

歯をくいしばり 児(こ)を育て
新地の小店 繁昌させた
後家の頑張り 威張れます
褒めてください 褒めてください
ねぇあなた
浪花ことぶき ひとりで祝う


9.高山の女

作詞:仁井谷俊也
作曲:大沢浄二

浅葱色した 紬が似合う
どこか淋しい ひとだった
あなたの胸で 死ねたらいいと
泣いてすがった 細い指
おまえに逢いたい 高山の女

妻と呼ばれる 暮らしが欲しい
酔って甘えた 夜もある
長い黒髪 解いて燃えた
遠いあの夜の 恋花火
今でもひとりか 高山の女

暖簾くぐって 地酒に酔えば
何故か空似の ひとばかり
やさしい笑顔 小さな肩を
抱いてやりたい もう一度
おまえに逢いたい 高山の女


10.さざんかの宿

作詞:吉岡治
作曲:市川昭介

くもりガラスを 手で拭いて
あなた明日が 見えますか
愛しても愛しても あゝ他人(ひと)の妻
赤く咲いても 冬の花
咲いてさびしい さざんかの宿

ぬいた指輪の 罪のあと
かんでください 思いきり
燃えたって燃えたって あゝ他人の妻
運命かなしい 冬の花
明日はいらない さざんかの宿

せめて朝まで 腕の中
夢を見させて くれますか
つくしてもつくしても あゝ他人の妻
ふたり咲いても 冬の花
春はいつくる さざんかの宿


11.雨の港

作詞:たかたかし
作曲:遠藤実

別れりゃ他人のはずなのに
からだがあの人おぼえてる
お酒くち紅港の酒場
雨の降る夜は恋しくて
だめね女はひとりじゃ眠れない

やさしく抱かれたあの夜の
着物で今夜も酒をつぐ
霧笛ほつれ毛東京なまり
わかれ演歌に泣けてくる
酔えばつらいわむかしにまた戻る

あれほど怨んだ人なのに
いいことばかりを数えてる
涙ため息哀愁みなと
船でゆく人かえる人
明日は私にいい夢つれて来い


12.目ン無い千鳥

作詞:サトウハチロー
作曲:古賀政男

目ン無い千鳥の高島田
見えぬ鏡にいたわしや
曇る今宵の金屏風
誰のとがやら罪じゃやら

千々に乱れる思い出は
すぎし月日の糸車
回す心の 盃に
紅はさしても晴れぬ胸

雨の夜更けに弾く琴が
白い小指にしみてゆく
花がちるちる春が逝く
胸の扉がまた濡れる

目ン無い千鳥の さみしさは
切れてはかない琴の糸
青春の盛りの若い葉に
むせび泣くよなこぬか雨